「ともすれば」

すよさんが色々語るよ

エレンとジークのすれ違い。そしてクサヴァーさんの思惑とは違う方向に頑張っちゃったジーク

「自由を手に入れるためなら命なんか惜しくない。どれだけ世界が残酷でも関係無い」

「救ってやったんだ…そいつらから生まれてくる子供の命を…この残酷な世界から」

 

残酷な世界をふりきり生きる意志を持つエレンと、残酷な世界に沈んでしまっているジークのすれ違いっぷりを象徴してるセリフ発見。

ジークからするとエレンて「父親の被害者である自分自身」で、つまりエレンのための行動は「昔の自分はこうされたかった」が現れていると思う。クサヴァーさんがしてくれた&グリシャにしてほしかったこと。つまり「たとえ思い通りにならなくても絶対に見捨てないでほしかった」んだよたぶん。

でもエレンは進撃の能力によって「選ぶしかない未来」がわかっているので、救いとか見捨てないとかは意味がないんだよな……。ハンジさんへの台詞からすると助けてほしかった気持ちはあると思うけど、道まで到達したらもう完全に覚悟きまってたのかな。ジークに対する視線と態度がきついことこの上ない。

で、ジークにとって「絶対に見捨てない」がとても大切なことだったためにエルディア人の安楽死計画もあんだけやれたんだろうと思うんですよ。自分が使命を諦めたらこの先に生まれてくる子どもたちをこの地獄に呼ぶことになると思ったら、救ってやれるのは自分しかいないんだ!お兄ちゃんに任せろ!になっちゃうよねー…

 

でもクサヴァーさん的には、獣の性能知ってるのと自分が研究だけして任期満了いってるから、そこまで前線に出て戦うことは予想外だったと思うんです……!

そもそもクサヴァーさんが「生まれてこなければよかった」の告白をしたとき、あれはジークに「わかるよ同じ気持ちだよ」ってしたのかと思っていたんですが、もしかして「妻と息子に絶望的な死をもたらし、そして息子代わりだった子が『生まれてこなければよかった』と思うまで追い詰めたのは、自分が両親を売るよう助言した結果であり、延命はできたけど苦しみを与えただけだった」という絶望感があったんかなって思うんですよね。それで「私なんて生まれてこなければ」になるような……

そしてあと少ししかない余命で、かわいがってきた息子みたいな子があんだけ人生に絶望していたら、クサヴァーさんみたいな人はどう思うか?と考えると、「自分が死んだあとこの子に何を残してやれるだろうか」なんじゃないかと…

そこで、王家の血筋がバレるとマジヤバイけどかばってやれなくなるし、祖父母はその点ではあてにならんから、とりあえず巨人化できればあっさり拘束されることもないよね、と。驚異の子で忠誠度カンスト扱いなのとクサヴァーさんの後任として巨人科学学会への提出書類も改ざんしやすいし…。

13年の期限はついちゃうけど、自分が欲しかった贅沢な自殺の方法をゆずるというか、生きているのが辛いって子に13年というゴール与えて、その間に「生まれてこなければよかった」って、クサヴァーさん亡きあとも悩みを言えるような相手を見つけられたら…という感じでは。だって始祖の巨人を確保して安楽死計画に賛同する人を探して継承させるって結構な難易度だよ。安楽死計画が普通の感覚してる人にとっては責任が重すぎるしえぐいもん。他人の人生左右しすぎだもんそんなの。心からそれを望んでいるジークは鍵であって実行犯じゃないわけだし。

これを普通に実現可能とは思わないんじゃ…。

ただ、これを思いついたジークが「使命」「生きる目的」を得た顔をしていたから、絶望して無気力に生きるよりはいいと思ったんじゃないっていうか私の中のクサヴァーさんはそういうひとです。

 

なんでそんなこと考えるのかっていうと、最後の道でジークの話を聞いているクサヴァーさんは安楽死計画を完遂してほしかったみたいな顔してないんですよね、ジークの「安楽死計画は間違ってなかった」を聞いているけど、なんだか悲しそうで、もどかしそうで、でも結果的にキャッチボールのためならもう一度生まれてもいい、にたどり着いたことは「よかった」と思ってそうな複雑な表情に、見えるんです。

クサヴァーさんにとって実は安楽死計画は実はさほど重要じゃなくて、ただジークをね、自分亡きあと少しでも苦しくないように生きさせてあげたかったんじゃないかなー、と私は思うことにします。

しかしその父の気持ちとは全く逆の道をいってしまって超がんばるあたり、「お前は自由だ」といわれて生まれてきたエレンが地鳴らし発動しちゃったグリシャ的な「そうじゃないんだよおおお!!」を感じますね!イェーガー兄弟は猪突猛進困ったちゃんで似た者同士ですね。